髪の毛をカミソリ(レザー)ですくと傷むというのは本当?

髪の毛をカットするときに、ヘアスタイルを仕上げていくときに動きや軽さを求めるために美容師が使う道具は、ハサミ(シザース)、すきバサミ(セニングバサミ)、カミソリ(レザー)などを使い分けながらカットしていきます。

普段、カットをしてもらう時「”カミソリ”はやめてください」とお願いしたことありませんか?

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最近ではカミソリ=レザーカットをすると傷むから止めてほしい、カミソリ使わないでほしい、ということをよく聞きます。

確かにレザーは使い方、道具(レザー)そのものによっては髪の毛を痛めてしまうことはありますが、技術(テクニック)、レザーの刃の切れ味によっては、セニングはさみ(すきバサミ)より綺麗に鋭く傷みにくく仕上げることができます。

髪の毛に動きを出しておしゃれなヘアスタイルを仕上げるときは、髪質や毛量によって使用する道具(ハサミやレザーなど)は違ってきます。

確かに、サロンに行ってせっかく髪を切って素敵に仕上げたかったのに、残念な結果にならないようにしたいですよね。

髪の毛をすく時レザー(カミソリ)は傷むものなの?

【こんにちは。美容歴35年2万人以上のお客様に接してきた美髪アドバイザー・美容コンサルタントの森久美子(@morikumikonoie)です】

美容室に行って、髪の毛を軽くしてもらいたい時、カミソリ(レザー)ですくのは嫌だなぁ、と思ったりしませんか?

最近では、カミソリを使うと髪の毛が痛む・・というのでカミソリは使ってほしくないというお客様が時々いらっしゃいます。

そもそも、私の経験からカミソリ=レザーでのカットで切った後傷んでパサついた・・・というお客様はほとんどいらっしゃらないのでなぜ?痛むと思ってしまう、また、なぜ痛むという噂が広がってしまったのだろう?と、不思議に思ってしまうのです。

そんな不思議な気持ちを持ちつつ、今のレザーカットという技法がどのように進化してきたのか?を探ってみました。

カミソリで髪の毛を削ぐというのは、今当たり前のように使われているシザーカット(ハサミ)が出てくる前からの日本の美容室で行われていた技法です。

その当時のカットは、カミソリで髪を削ぐというカミソリは、”剃刀”(かみそり)でジョリジョリと削ぐようにカットする方法でした。

昔(昭和50年代前)の美容師さんは、ハサミで髪の毛を形づける繊細で正確なカットができる人が少なかったのです。そのため髪専用のカットはカミソリを使って仕上げていた、ということです。

日本にハサミの主流でカットするという時代が始まったのは1980年代のころでしょう。

私がイギリスで学んだサロンオーナー”ヴィダル・サスーン”というイスラエル出身のイギリス人がハサミを用いてのカット技術を考案したことで、このころから日本でのカットはシザースカットと広まったと言えると思います。

その当時私が美容師を始めた頃なので、ハサミのカットとカミソリのカットと、先輩方はそれぞれの技法でお客様をカットしていたのを思い出します。

現在では、ハサミを主流にカットで仕上げることが多く、逆に若い美容師さんはレザーでカットをする機会が少ないと言えるかもしれません。

また、昔のレザー(カミソリ)は、折り畳みのレザーで重さがあり、切れ味が悪くなったらブァッファーというなめしの皮で研いでからお客様の髪の毛を削ぐ、というような今では床屋さんのレザー(カミソリ)でしか見かけないような状態でした。

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そのうちレザー(カミソリ)のカットの仕上がりの良さが見直され、レザーカット用のカミソリが開発され進化しています。

折り畳み式から持ち手が指にフィットしたストレートなタイプで、一人ひとり使い捨ての刃で、その刃もとても鋭い切れ味で作っている工場の方に聞いたら、外科医が手術をする時の「メス」のような刃にしていると言っていました。それだけ切れ味が良いということは、髪の毛に負担が少ない状態で削ぐことができるということです。

そのようなレザー(カミソリ)を使用して髪の毛を軽くするためにカットをした場合は、それほど髪の毛は傷むことはありません。

もし、レザー(カミソリ)を使って髪の毛がパサついてまとまりが悪くなったなら、それはきっとレザーの刃が悪い状態なのか、テクニックが無いと言えるのかもしれません。切れ味の悪い時は、レザー(カミソリ)の刃が重く感じ”ジョリジョリ”と鈍い嫌な音がします。切れ味が良い時は”ジョリジョリ”ではなく”ショリショリ”と軽やかに聞こえます。

髪の毛を軽く削ぐためには、レザーしか使用しないというわけではなく、他にもセニングハサミ(すきバサミ)やシザース(ハサミ)によるストロークカットで削るという技法もあります。

美容師にとって様々なテクニックがあり、使う道具も違ったりしますが髪の毛が痛まないように仕上げることが大切なので、仕上がった時にレザー(カミソリ)を使用して傷んでしまったようなら、その美容師さんには使わないでほしいとお願いするか、他の美容師さんに変更したほうが良いかもしれません。

髪を痛めないカットとは、技術テクニックは当たり前ですが、道具をいかに丁寧にお手入れをしているかどうか?が大切なのです。包丁を丁寧に扱っている料理人と同じですよね。

セルフカットをする時も道具をお手入れして清潔に保つようにしておくと良いでしょう。

髪の毛をレザー(カミソリ)で痛めずカットをする方法とは?

レザーカットとは、髪を削ぐようにカットをすることです。レザーカットの仕上がりの特徴は柔らかな毛先でニュアンス良い髪型に仕上がってくれます。

レザーカットでは、その名の通りカミソリを使って髪の毛を削ぐようにカットしていきます。刃が斜めに入り髪の毛も斜めに削がれることで毛先が柔らかく仕上がります。

髪の毛の断面が斜めになっているので毛先に動きが付きやすく柔らかな無造作なヘアを仕上げることができます。ショートヘアやボブのヘアスタイルでは、ランダムな毛先に動きが出てファミニンな印象を与えるスタイルができます。

また、レザーカットでは、髪の毛が太く多いタイプの人には、ボリュームを抑えることもできます。ボリュームを抑えることができるので、髪の毛が硬い人にもおすすめなカットの方法です。

私の場合もショートやグラデーションボブを作る時に、先にシザース(ハサミ)で長さやシルエットを整えその中でバランスをレザー(カミソリ)でアウトラインなど柔らかさを出したいところに使用していくことがあります。そうすることで小顔効果もありシザース(ハサミ)だけでは出せない表情が出せるメリットがあります。

それでもレザー(カミソリ)で削ぐと髪の毛が痛むようで心配だという方がいらっしゃるかもしれません。できるだけシザース(ハサミ)だけでして欲しいという方には、無理してレザーを使うことはないかと思います。

レザーで傷まないようにカットをするのは、やはりレザー(カミソリ)の切れ味と美容師さんの腕にかかってくることだと思います。

レザーカットは、髪の毛を斜めに削いでいくので、ハサミに比べると切り口の断面積が広いので、削ぎ方、やり方によっては枝毛や切れ毛の原因となってしまいます。カミソリ自体切れ味が悪いと切り口の断面がいびつな状態になってしまいそのいびつさで、髪の毛が痛む原因になるのです。もちろん、これはハサミにも言えることです。切り口がいびつだとまとまりが悪く、枝毛や切れ毛になりやすくなってしまいます。

このようないびつになる切り口になるのは、刃の切れ味が悪くレザー(カミソリ)で削ぐ時に必要以上の力を加えてしまい、髪の毛を押す形でとても負担をかけてしまいます。このような時も髪の毛には負荷が大きく傷む原因にもなります。

レザーの刃を切れ味の良い状態を維持するためにメンテナンスをして常に切れ味をチェックしておくことと、レザーの技術的なテクニックをヘアスタイルに合わせてレザーカットで仕上げられるようにすることで髪の毛への負担が少なく痛むことも軽減されるでしょう。

また、レザーカットをする場合は、髪の毛は濡れた状態で切ったほうがスムーズにカットすることができます。

カット全体の仕上げをするときは、時にはドライカットとしてブローで乾かした後の状態を見てドライカットをすることはあります。この時は毛先のニュアンスを整えるためだけにレザー(カミソリ)を使うことがありますが、ほとんどシザース(ハサミ)でも量調整をします。時にはセニングバサミ(すきバサミ)で調節するときもあります。

髪の毛は、髪をカットした時点で傷んでしまいます。この傷み具合をどれだけ軽減するか?が道具のメンテナンス、美容師さんの技術力によって違ってきます。

セルフカットするときも道具のメンテナンスはしっかりしておきましょう。

髪の毛を軽くした後のお手入れ方法

髪のボリュームを調節したり、毛先に軽さを出したり、動きを出したりするカットで、レザー(カミソリ)やセニング(すきバサミ)をした後は、普通にシザース(ハサミ)でカットをするより毛先が乾燥しやすく傷みやすくなってしまいます。

基本的にカットをして日が経つにつれ毛先が少しずつ傷み始めたり毛先が絡まりやすくなったりと切りたてよりヘアスタイルが落ち着かなくなってしまうものです。特に髪の毛をすくと傷みやすく感じます。

何となく3週間くらい過ぎてくると急に髪が伸びたように感じたり、毛先が跳ね始める、収まりが悪くなる、髪が上手くまとまらなくなってきた、急にお手入れをしても効果が鈍くなったように感じる、など経験あるのではないでしょうか?

だいたいヘアスタイルを綺麗な状態でキープしておける期間というのは、長くて1か月~1か月半くらいでしょう。

そうなるとカットをしてヘアスタイルがベストな状態である期間を過ぎたら、もう毛先は傷み具合が進んでいるという状態なのです。

もちろん髪の長さによって差はありますが、髪の伸びる速度からして髪が長くても短くても毛先がまとまりにくくなるのは同じです。

また、以下のようなすき過ぎてしまった後の悩みというのもいくつかあります。

・髪がまとまらない

髪の毛をすき過ぎたことによって、髪の毛量が必要以上になくなってしまい湿気が多いと水分を吸い取る量が増えてしまうことで広がってしまう。

・くせが出やすくなってしまう

髪の毛全体のボリュームを減らしたことで、シャンプーが楽になったり、ヘアスタイルが作りやすくなった反面、従来の髪の重さで抑えていたくせ毛が、必要以上にすき過ぎたことでクセがさらに出てしまった。

・ボサボサにボリュームが出てしまった

毛量を調節するために髪の毛をすいたはずなのに、なぜかボサボサに頭が大きく見えてしまうのは、カミソリやハサミの刃が手入れされていなかったか、技術力がなかったかでしょう。

・髪の毛がはねる

毛先に動きを出すためにすいた髪の毛が、毛先がペラペラになりすぎて重さのない毛先によってはねやすくなってしまった。

・枝毛が増えてしまう

髪の毛をカットするときの断面が、シザース(ハサミ)の時よりレザー(カミソリ)の断面が斜めに広くなってしまうことで、髪の毛の表面にあるキューティクルでコーティングしづらくなることで、枝毛が増えやすくなってしまう。

・すき過ぎた後のカットがしづらい

髪の毛をすき過ぎてしまったことで、シザース(ハサミ)を入れにくくバランスが崩れやすいため、ヘアスタイルを整えたい時はすいた部分を取り除かなければいけない状態になってしまう。

このようなすき過ぎてしまった時は、その後の処理がとても大変なのですが、どうしても跳ねたり、まとまりにくくてどうしようもないという方は、美容師さんに相談するのが一番だと思います。が、その場合髪の毛が今の現状より短くなってしまう可能性があるかもしれません。

また、すき過ぎて困ったり擦るわけではなく、ダメージを少しでも抑えるためのお手入れとしてのお手入れ方法をお伝えしましょう。

〈まとまりにくい時は・・・・〉

〇髪の毛が乾燥しやすい状態になっているのでシャンプーは保湿効果のある髪に優しいシャンプーを使いましょう。

〇毛先にはトリートメントを付けて保湿をしっかりします。

〇何か月もそのままにしないで、少しは毛先を調節するためにカットをしたほうが良いでしょう。

〇髪の毛の元である地肌を健康にするために、ヘッドスパ(頭皮マッサージ)をして血行良くすることで髪の毛に潤いが出てきます。

〇髪の毛が多いからすくのですが、何となく髪の毛に力が無くなったように感じたら、育毛剤を使用するのも効果的です。

髪の毛を綺麗な状態に保つためには、保湿することが大切です。夏であれば日焼けに注意したり、冬なら暖房などの乾燥した環境に注意したりと日常何気ないところでダメージが進んでしまうことがあります。

髪の毛をすいて毛先に動きを出すことでヘアスタイルが素敵に仕上がります。レザー(カミソリ)は痛むようで避けてきたという人ももし、挑戦できたらレザーカットでヘアスタイルを作ってみてください。

今までにない柔らかで軽やかな雰囲気の仕上がりを楽しめると思います。

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